Linux Memo

【StarOffice 6.0 リリース】7-1-2002

5月に StarOffice 6.0 がリリースされていました。StarOffice という名称は英語版に使われ、日本語などの場合は StarSuite の名称で販売されているようです。StarSuite 6.0 の日本語ベータ版を使っていたのですが、試用期限が切れたので、OpenOffice を入れて MS Word ファイルなどを読んでいたのですが、待望の製品版が出て、喜んでいます。日本語版はまだ手にしていませんが、英語版も必要だったので、まず英語版を買いました。コンピュータショップの店頭にはまだ出ていなかったので Amazon.com で買いました。送料無料のうえ、ハーブ・ティーを買ったら、Amazon.com での $5 引きのクーポンが入っていて、$70 で買いました。MS Office の場合は、たとえ自分のコンピュータであっても、デスクトップとラップトップにインストールするには、別々にパッケージを買わなくてはならないのですが StarOffice ではひとつのパッケージで、5 台のコンピュータに合法的にインストールできます。$70 という価格は、MS Office と比べて五分の一の価格で、大バーゲンです。(MS Office の価格が高すぎたのかもしれません。) Linux だけでなく Windows でも使えるわけですから、Windows ユーザも StarOffice に乗り換えても損はないと思います。
インストールは全自動で進みます。パスワードや、ユーザ情報を入れなくてもどんどん進みます。Java ランタイムが導入されていなければそれも導入してくれます。ベータ版ではシステムにインストールされたフォントを使えませんでしたが、正式版ではシステムにインストールされた True Type フォントを組み込んでくれます。英語のパッケージでも日本語のフォントがちゃんと登録され、日本語入力も出来、印刷まで大丈夫でした。オプションにも Asian Language Support というのがあって、日本語の項目もちゃんとあります。英語が主で、日本語はあまり使わないという人は英語版でもいいかもしれません。
最初は、最小限のインストールで、ほんの少しの機能しか試していませんが、ワードプロセシングで、フレームの回転が出来ること、フォント装飾がきれいなことなど、マイクロソフトのものより優れた点がいくつかあります。一番期待していたのは、PostScript ファイルで保存する機能です。これは、印刷時に、「ファイルに印刷」を選ぶと、そのファイルは PostScript ファイルですから、それを ps2pdf で PDF に変換しました。英語ではうまく行きましたが、日本語ではフォントの関係でうまくいくかどうかわかりません。そのうち日本語版の StarSuite が手に入る予定なので、またレポートします。

【Mozilla 1.0 リリース】7-8-2002

6月5日、Mozilla 1.0 がついにリリースされました。6月12日にはサンフランシスコでパーティがあったとのことでした。成長した「もじら君」を早速試してみました。アクロバット、フラッシュ、ジャバ、リアルなどのプラグインが正常に動いてくれました。JavaScript も大丈夫です。
Netscape 6.2 では、基準となるフォントより小さなサイズのフォントを表示するには、/usr/local/netscape/default/pref/unix.js の 220 行あたりに
```
// minimum font sizes
pref("font.min-size.variable.ja", 10);
pref("font.min-size.fixed.ja", 10);
pref("font.min-size.variable.ko", 10);
pref("font.min-size.fixed.ko", 10);
pref("font.min-size.variable.zh-CN", 10);
pref("font.min-size.fixed.zh-CN", 10);
pref("font.min-size.variable.zh-TW", 10);
pref("font.min-size.fixed.zh-TW", 10);
```
とある部分のフォントピクセルを書き換える必要がありました。(上の例では 10 ピクセルにしてあります。) Mozilla 1.0 ではメニューの Edit → Preferances → Appearance → Fonts に Minimum font size を指定するコラムができました。私は、基準のフォントを 14 ピクセルにしてありますので、最小フォントを 10 ピクセルに指定しました。これで などで指定した文字が小さく示されるようになりました。
Netscape 6.2 は Mozilla 1.0 と同じ設定ファイルを使います。ですから、Netscape 6.2 と Mozilla 1.0 の両方を使うと、それぞれ起動時に設定したとおりの動きをしてくれません。私は、/usr/local/mozilla/mozilla -profilemanager で Profile Manager を起動し、Mozilla 1.0 用のプロファイルを作って、Netscape 6.2 を起動する時は default を、Mozilla 1.0 を起動する時は新しく作ったプロファイルを使うようにしました。もじら君のアイコンには次のようなものがあります。気にいったものを使ってください。

【Mozilla のテーマ】7-15-2002

Mozilla 1.0 用の「テーマ」も十数種類アップロードされています。私は Orbit 3+1 というハデなテーマを使っています。メニューの "Get New Themes" からダウンロードして組み込むのは Netscape 6.2 と同じです。ただし、Netscape 用のテーマは使えません。その逆も同じです。Mozilla のテーマは、.mozilla の下にあるプロファイル・ホルダーにインストールされます。ですから、Mozilla をバージョンアップしても、プロファイル・ホルダーがある限りテーマを使い続けることができます。しかし、別のコンピュータにインストールしてあるテーマを、他のコンピュータで使いたい時、いちいちダウンロードしなおすのは面倒です。そんな時は、プロファイル・ホルダーの chrome ディレクトリーの中にある chrome.rdf とテーマの本体 (morbit-1_0-200020619.jar など) を取ってきて、同じ場所に入れれば大丈夫です。ただし、chrome.rdf に記述されているプロファイルへのパスは、自分のものに書き換えなくてはなりません。同じコンピュータの別のプロファイルにあるテーマを使いたい時は、chrome.rdf だけ移せばだいじょうぶです。ただし、参照しているプロファイルが消されてしまったら、もちろん使えなくなります。XML で書かれている chrome.rdf を自分で編集すれば、FTP サイトからテーマ用のファイルだけをダウンロードしても組み込めますが、面倒ですから、それよりは、ふだんは、もじら君からインストールしたほうが良いでしょう。

【StarSuite 6.0 日本語版】7-22-2002

StarSuite 6.0 日本語版を、amazon.co.jp に注文しましたが、ソフトウェア類は国外発送をしないということだったので、日本の知り合いのところに送ってもらい、それをこちらにまわしてもらって手にいれました。製造元の Sun Micro Systems は私の家の近くにあるのですが、なんとも地球を一周してきたわけです。もっとも StarSuite にはダウンロード版もあって、パッケージを買わなくても済むのですが、私のインターネット接続環境ではダウンロードは大変ですし、ダウンロード版の場合は、OS 別になっているので、Linux 版だけでなく Windows 版も欲しい場合はパッケージのほうが良いでしょう。
StarSuite と StarOffice をくらべてみて、違うのはメニューやヘルプが英語か日本語かの違いだけで、他はほとんどかわりません。言い替えれば、英語版がアジアフォントにみごとに対応しているということで、Sun Micro Systems らしい、手抜きのない堅実な造りになっています。
某社の「オフィス」にはろくなマニュアルがついてきませんが、StarOffice のマニュアルはとてもくわしく書かれており、日本語のマニュアルもよく出来ています。少し使ってみて、ページ設定に「袋とじ」というのが無いのに気付き、マニュアルにあたってみましたら、印刷プレビューで、二ページを一度に表示させ、それを印刷するという方法で対応できることがわかりました。また、「パンフレット印刷」という便利な機能もあることを見つけました。しかし、両方とも、HP LaserJet 4 のプリンター・ドライバで Brother HL-1240 を動かしているからでしょうか、うまく動いてくれませんでした。もっとも、マニュアルは、Windows を基準に作ってあって、すべての OS ですべての機能が使えるとは保証されていないとの断わり書きがありました。
StarOffice/Suite はファイルを本文やスタイルを別々に保存し、それらをひとつのファイルに圧縮してあります。ためしに unzip してみると、一つの文書につき content.xml, meta.xml, settings.xml, styles.xml などのファイルが含まれているのがわかります。ですから、ファイルの保存や読み込みに圧縮や解凍の時間がかかりますが、サイズが小さくて済み、Eメールで送るにはもってこいです。
Linux には、オフィス用の手頃なアプリケーションがなかったことですが、StarSuite 6.0 のおかけで、もう、恐いものなしになりました。

【StarSuite 6.0 で PDF】7-29-2002

StarOffice/Suite のファイルは、圧縮ファイルでサイズが小さく、そのまま Eメールで送っても良いのですが、StarOffice を持っていない人のためにはネットワークでの標準フォーマットの PDF にするのが良いでしょう。Adobe は Linux 用に Distiller というサーバー用の PDF 変換アプリケーションを出していますが、これはとても個人が手の出せる価格ではありません。Windows 用にあるような個人向けの低価格 PDF writer が欲しいのですが、今は他の方法で PDF を作るしかありません。いくつかの方法がありますが、6月24日の記事に書いたように DVI ファイルから dvipdfm を使えば、きれいな PDF を作ることができます。しかし、TeX ファイルを書くのは骨がおれます。StarOffice では PostScript ファイルを作ることができますので、PostScript から ps2pdf を使って PDF を作れます。しかし、もっと簡単な方法は、StarOffice に PDF Converter を組み込むことです。これを組み込むと StarOffice で編集中の文書を、出来上がりを確認しながら、一発で PDF ファイルに保存できます。次は StarOffice を使っての方法ですが、StarSuite でも同じです。StarOffice を PDF writer として使うには、
1. ~/staroffice6.0 にある spadmin を起動します。spadmin はプリンターとフォントのマネージメント・ツールです。
2. New Printer を押して、Connect a PDF converter を選げます。
3. Driver の撰択画面に進みますので、default driver にします。
4. Command line の撰択では /usr/bin/gs 選びます。
5. 次の画面で Printer name を選びます。PDF converter でいいでしょう。
6. Installed printer に PDF converter が表示されていることを確認して、spadmin を終了します。
7. StarOffice で文書を作ります。
8. 名前をつけて保存します。
9. Print を選び、Print ダイアログでプリンターを PDF Converter に指定し、印刷します。
10. すると、document.sxw.pdf などのように、.pdf のエクステンションのついたファイルが出来上がります。これを acroread などで確かめて終りです。
編集画面を保存しないで PDF Converter に「印刷」した場合は、print ダイアログで print to file を選び、ファイルタイプに PDF を指定してファイル名を与える必要があります。
まずは単純な文書で試してみましたが、私の環境では日本語も英語も、また、英語、日本語混在の場合でも PDF への変換はうまくいきました。ただし、日本語のほうは、フォントがきれいではありません。StarOffice を使えば、英語に関しては、Windows での Word + Acrobat に近い環境を作ることができます。

【CD-R を焼く〜その1】8-5-2002

私の CD ドライブは、CD を焼くことができますが、古いタイプで、書込みは最高 4倍速までしか使えません。以前 Windows で使っていた時も、ほとんど使っていなかったのですが、Linux にしてからは、「cdrecord を使っての CD レコーディングの場合、IDE タイプの CD ドライブではカーネルを書き換えて、SCSI ドライブとしてエミュレートしなければならない」などという説明を読んでからは、なおのこと、CD を焼くことをしませんでした。ところが、最近、CD 13枚組みの講演集から、それを MP3 ファイルに変換して、CD １枚におさめる必要があったことと、カーネルを書き換えることなく、IDE タイプの CD ドライブをSCSI ドライブとしてエミュレートすることができるということを知ったことで、Linux での CD レコーディングをやってみることにしました。
最初は cdrecord のインストールです。cdrecord のホームページは http://www.fokus.gmd.de/research/cc/glone/employees/joerg.schilling/private/cdrecord.html という長い URL にあります。cdrecord の最新版は 1.10 で、実際は cdtools.1.10.tar.gz (1.3 MB) というファイルに、CD から WAV ファイルを取りだす cdda2wav、CD 用のイメージファイルをつくる mkisofs と一緒に cdrecord も入っています。
```
$ make
# make INS_BASE=/usr/local install
```
とすると、/usr/local/bin に
```
cdda2wav
cdrecord
devdump
isodump
isoinfo
isovfy
mkhybrid
mkisofs
readcd
scgcheck
```
という 10 個のファイルができます。インストールは苦労なくできました。
私の読んだ資料では、ハードディスクから CD ドライブにデータを送る際、ハードディスクと CD ドライブは別のインターフェースにつなげるほうが良いとありましたので、いままで、プライマリー IDE のスレーブにつないでいた CD ドライブをセカンダリー IDE のマスターにつなぎ換えました。もちろん、CD ドライブのジャンパーをスレーブからマスターに付け換えました。そして、パワー・オンにしたのですが、ハードディスクが感知されないでブートアップできなくなりました。ハードディスクのジャンパー設定がマスターのままになっていたのが原因で、このハードディスクの場合は single のジャンパー設定がなかったので、Cable Select にジャンパープラグをつけておきました。master/single という設定のあるハードドライブのほうが、こういう時便利ですね。ドライブを付け換えて Linux を起動すると、ハードウェアの設定ユーティリティが自動的に出てきますので、かっての設定を削除して、新しい設定を書き込むようにしました。

【CD-R を焼く〜その2】8-12-2002

カーネルを書き換えることなく、IDE タイプの CD ドライブをSCSI ドライブとしてエミュレートするためのマジックワードは
```
boot: linux hdc=ide-scsi
```
です。hdc というのは、CD ドライブがセカンダリー・マスターに接続した場合のことです。hdc=ide-scsi は、hdc につないだ IDE ドライブを SCSI ドライブとしてエミュレートするモジュールを組み込むという意味です。Vine Linux の場合、起動時にフレームバッファを利用したグラフィカルインタースがでますので、これが出たら、Ctrl + X でテキストモードにして、boot: の次に上記のマジックワードをタイプします。ide-scsi モジュールを動かすにはルート権限で
```
# /sbin/modprobe ide-scsi
```
コマンドを使います。IDE CD ドライブを SCSI モードで動いているかどうかは、同じくルート権限で
```
# cdrecord -scanbus
```
というコマンドを与えると確かめられます。こうすると、
```
Cdrecord 1.9 (i686-pc-linux-gnu) Copyright (C) 1995-2000 J�g Schilling
Linux sg driver version: 2.1.39
Using libscg version 'schily-0.1'
scsibus0:
    0,0,0     0) 'RWD     ' 'RW2224          ' '2.06' Removable CD-ROM
    0,1,0     1) *
    0,2,0     2) *
    0,3,0     3) *
    0,4,0     4) *
    0,5,0     5) *
    0,6,0     6) *
    0,7,0     7) *
```
などのデータが表示されます。この 0,0,0 という数字は SCSI のデバイス番号で、これは cdrecord を使っての書き込みで使いますので、控えておきます。

【CD-R を焼く〜その3】8-19-2002

CD から MP3 ファイルをつくるのにはまず、cdparanoia で、CD から WAV ファイルを抽出しました。cdparanoia は http://www.xiph.org/paranoia/ に最新版のがあります。cdda2wav というのも cdrtools に含まれているのですが、こちらは SCSI にエミュレートされた CD ドライブ用なので、Linux の起動時にオプションをつけないで IDE のまま CD ドライブを立ち上げた場合は使えません。cdparanoia は IDE CD ドライブから直接読み取ってくれるので、便利です。また、進行状況をしめすバーも、かわいいので、気にいっています。
```
cdparanoia -B 1-
```
とすると、トラック 1 から最後まで、トラック別にファイルをつくってくれます。WAV ファイルから MP3 ファイルをつくるには「午後のこ〜だ」(gogo)を使いました。http://homepage1.nifty.com/herumi/ から petit310.tgz と nasmsse2.tgz をいただいてきました。gogo のコンパイルには nasmsse2.tgz を解凍してできる nasm を必要としますので、まず nasm をパスの通ったディレクトリー(私の場合は /usr/local/bin)に置きました。gogo のパッケージには Windows など他の OS のソースも入っていますので、Linux の場合は "$ cd linux" "$ make" "# make install" としてインストールします。WAV から MP3 への変換は、次のようにしました。
```
gogo -b 32 track01.cdda.wav $koen_01.mp3
```
などとします。"-b 32" はビットレートの指定です。この価が大きいほうが音質が良く、小さいと音質は劣ります。一般に次のように言われています。

音質ビットレート

CD 128

FM ラジオ 64

AM ラジオ 32

私がつくろうとしている MP3-CD は、音楽でなく、講演の CD なので、音質のことはあまり気にしないでサイズを小さくするために "-b 32" としました。これで 13枚、総計 20 時間の CD を 230 MB に圧縮することができました。13 枚の CD を入れ換えるたびにコマンドを入れるのは大変なので、perl でスクリプトを書き、自動的に連番を持った MP3 ファイルをつくるようにしました。

【CD-R を焼く〜その4】8-26-2002

さて、今度は本当に CD を焼きました。まず CD に焼きたいファイルを一つのディレクトリーに集め、そのディレクトリーのイメージをつくることです。私は cdparanoia と gogo を使って作った MP3 ファイルを mp3data というディレクトリーに集め、mp3data のひとつ上のディレクトリーから
```
$ mkisofs -o cdimage.img ./mp3data
```
として、CD に焼くデータ cdimage.img を用意しました。CD のファイルシステム ISO9660 ではファイル名は 8+3 文字ですので、mp3data に集めたファイル名はすべて 8+3 にしてあります。長いファイル名を使いたければ Linux 用には -r オプション、Windows 用には -J オプションをつけます。230 MB のデータを用意するのに、ほんの数分で済みました。
CD-R を焼くには cdimage.img のあるディレクトリーから
```
# cdrecord -v dev=0,0,0 speed=4 -data cdimage.img
```
とします。オプションの意味は次のとおりです。

-v 進行状況の表示

dev=0,0,0 0,0,0 番のSCSI デバイスを使用

speed=4 4 倍速で書き込む

-data データファイルとして書き込む

-eject オプションもつけておけば、焼きあがると、CD トレイから CD-R が出てきます。私の CD ドライブは 4倍速で書き込めるはずなので、"speed=4" としたのですが、実際の書き込み速度は 2 倍速でした。cdrecord は CD-R メディアを検出して、それぞれのメディアに合ったレーザ量などを決めるのですが、私の持っていた Memorex 700 MB のディスクを検知することができなかったためかもしれません。2 倍速では 20 MB を書き込むのに 1 分弱で、230 MB では 10 分少しで出来上がりという見当をつけて、コンピュータが仕事をしている間、10 分間休憩を取りました。

【標準 HTML を書くために】9-2-2002

Mozilla の日本語版に力をそそいでいるもじら組に、「Web 標準普及プロジェクト」というページがあります。ここには標準的な HTML を書くのに必要なコメントが書かれており、いままで我流で HTML を書いてきた私には「目からウロコ」的な解説がいくつかあり、大変役立ちました。IE では >img src="picture.jpg" alt="シリコンバレーの風景"< としておくと、その画像にマウスがいった時、alt で指定した文字列がポップアップしたので、Mozilla ではどうして出ないのかなと思っていましたら、alt はテキストモードのブラウザのための「画像にかわって表示する文字列」を指定するためのもので、ポップアップを示したい時は title="シリコンバレーの風景" とすべきだということを、そのページで知りました。
「めざせ、HTML の鉄人! 」中級篇・その一、第3項で、alt="…" を使っていたのは、ポップアップ効果をねらってしていたのですが、Mozilla は IE のように処理が甘くないので、ここはきちんと title="…" にしなければならなかったのです。title="…" は、「めざせ、HTML の鉄人! 」中級篇・その一、第4項で使っているように、img タグ以外のほとんどのタグで使うことができ、ポップアップを出すことができます。HTML は情報を共有化するための約束ごとなのですから、IE にしか通用しないもの、Netscape でしか表示されないものがあってはならないはずです。Mozilla が HTML の標準化に貢献してくれることを期待しています。
XHTML の規格にそえば、より標準的な HTML を書くことができるのではないかと考えて、XHTML を少し勉強し、「めざせ、HTML の鉄人! 」に「XHTML篇」を追加しました。そこに紹介した tidy という HTML の検査プログラムは標準的な HTML を書くのに役立ちます。私のスタイルシートの説明に誤りがあったので、訂正し、tidy を使って「めざせ、HTML の鉄人! 」のファイルを検査し、すべて書き直しました。おかげで良い勉強ができました。書き直したページをご覧ください。

【もじら君のフルスクリーン機能】9-9-2002

Mozilla 1.1 がリリースされています。さっそくバージョンアップしました。1.1 にはブラウザをフルスクリーンで表示する機能があります。「F11 で起動する」とありますが、F11 は Window Maker では「ウィンドウ一覧」に割り当てられていますので、この機能を使うにはメニューの「表示」から「フルスクリーン」を選びます。すると、いちばん上に Back, Forward, Reload, Stop の各ボタン、 URL バー、そして、右にウィンドウコントロールボタンが一列にならび、画面いっぱいにウェブページが表示されるようになります。このボタンや URL バーも消すことができ、この表示モードはプレゼンテーションにもってこいです。私が制作を担当しているサイトのプレゼンテーションを近いうちにするつもりなので、このモードは役に立ちそうです。
もうひとつの新しい機能は「ダウンロード・マネージャ」です。ダウンロードするファイルの保存先をえらぶと、ダウンロードマネージャーが起動し、ダウンロードの記録がつくられます。ファイルがダウンロードされたことが確実にわかり、とても安心できます。しかし、連続してダウンロードする時などはいつまでも画面に残ってうっとおしいかもしれません。また、ダウンロードに失敗して、不完全なファイルが残った場合、やりなおそうとしても、そのファイルがキャッシュにある間は、ダウンロード・リストから削っても、やりなおしが効きません。キャッシュを消してやりなおさなければならないのは、ある意味では不便です。そんな時はメニューの「設定」で「ダウンロードマネージャーを起動しない」にすればいいでしょう。
新しいもじら君で CSS2 が使えるかなと試してみましたが、CSS2 にはまだ対応していないようです。今のところ CSS1 で用が足りていますので、不便は感じませんので、これは後日のお楽しみにしましょう。

【XHTML と Apache の調整】9-16-2002

「めざせ、HTML の鉄人! 」に XHTML 篇を追加しました。そこで作った part6.html を part6.xhtml として保存し、もじら君でファイルから読みこんでみました。スタイルシートの一部で、.html で保存したのとは違う結果がでました。背景画像を「スクロールしない」というふうにしたのですが、画像に乱れがありました。それではローカル・サーバーを通して表示してみようとしましたが、ソースコードが表示されるだけでした。リモートサーバーではちゃんと表示されるのですから、これは Apache の設定に問題があるに違いありません。たぶん Apache が .xhtml というファイルタイプを text として解釈し、html として解釈していないからなのでしょう。
それで、Apache の設定ファイルをいじることにしました。私は、Apache を Vine Linux のデフォルトのままで使っていますので、設定ファイルは /etc/httpd/conf/httpd.conf にあります。ようするにファイルタイプを追加すればいいのですから
```
AddType text/html .xhtml
```
の１行を入れ、
```
/etc/rc.d/init.d/httpd restart
```
として、Apache を新しい設定で再起動し、あらためてローカルサーバで .xhtml ファイルを表示してみましたら、期待どおりに表示してくれました。将来 .xhtml という拡張子が一般的になるかもしれませんが、今は、XHTML も .html で保存してつかったほうが無難なようです。

【ripperX と XMMS】9-23-2002

前回焼き上がった CD をドライブにかけてみました。MP3 ファイルを再生してみましたら、ところどころノイズが入っていました。それは、おそらく cdparanoia で WAV ファイルを読み取る段階で入ったものと思われます。cdparanoia の進行状況を示すバーで -----> となっているのが「正常」かと思ったらそうではなく、 '+' ばかりでなく '-' も問題があったのです。cdparanoia を別の IDE CD ドライブでためしてみたら、'-' は出ないのに、このドライブでは、'-' で埋めつくされ、'+' もしょっちゅう現われます。ドライブが古いせいだろうと思います。cdparanoia はもともと SCSI 用につくられたので、SCSI エミュレートにしたほうがよい状態でデータを取り込むことができると、マニュアルにありました。それで、"cdparanoia -d /dev/sga" と、SCSI ドライブに指定してやってみましたが、同じ結果に終わりました。このドライブはふつうの CD-ROM でも時々読み取ってくれないことがありますので、そろそろ買い替える時かなと思っています。
ところで、オーディオ CD から MP3 ファイルを自動的につくってくれる便利なアプリケーションを見つけました。ripperX です。これは cdparanoia と gogo の GUI ラッパーですが、CDDB の機能を持っていて、インターネットに接続した状態で CDDB のボタンを押すと、アーティスト、アルバム、そしてそれぞれの曲名を入れてくれ、その名前で MP3 ファイルを全自動で作っていきます。いったん WAV ファイルを作ってから MP3 に変換する方法をとっていますが、並列処理をしますので、けっこう早く、WAV ファイルは変換が終ったら削除されていきますので、ハードディスクのスペースもあまりとりません。再生は Vine にデフォルトで入っている XMMS を使ってみました。とても良くできた MP3 プレーヤーですが、外観がごついので、スキンをダウンロードして、見た目を変えてみましたが、あまり気に入ったスキンはありませんでした。これと同じような MP3 プレーヤーに FreeAmp がありますが、こちらの方がスキンが豊富で、ユニークなものがいっぱいあります。音だけなく、見た目も楽しみたい人は、いろいろやってみると良いでしょうね。Linux というとサーバー用、ワークステーション用という概念があるようですが、エンターテーメントにも使えて、こんなに楽しいのです。

【ポータブル MP3 Player】9-30-2002

七月、旅行に行くとき、飛行機の中で CD を聞くため、ポータブル CD Player を買いましたので、そのことをレポートします。聞きたい CD を MP3 に変換しておけば、何枚もの CD を持っていく手間が省けますので、MP3 ファイルを再生できる機種を買いました。私の買ったのは Memorex MPD8507CP というので、カーアダプターもついていました。カーアダプターなしのものより 30ドルほど高かったのですが、私の車には CD Player がないので、車で使うことも考えて、こちらを買いました。それで、前回作った MP3 CD をかけてみましたが Disc Error の表示が出て、読めませんでした。前回の CD は -r (Rock Ridge) や -J (Joliet) オプションをつけないで作ったためではないかと思い、今回は
```
$ mkisofs -r -J -o cdimage.img ./mp3data
```
としてイメージファイルを作り、CD-RW に焼き、試してみましたらうまくいきました。
CD-RW に焼く場合も、CD-R に焼く場合も方法は同じですが、CD-RW の場合は、いったん CD をきれいにしておかなくてはなりませんので、
```
# cdrecord -v dev=0,0,0 balnk=all
```
としてから、CD-RW を焼きました。34時間分のファイルを一枚の CD-RW に収めることができました。
前回は、ブート時に
```
boot: linux hdc=ide-scsi
```
というコマンドを与えましたが、ぼやぼやしていると、そのまま Linux が立ち上がってしまいますので、私は lilo に "Linux2" というブートラベルを作って、SCSI エミュレーションの必要な時はこちらをブートアップするようにしました。現在の私の lilo.conf は次のようになっています。赤字の部分に注目してください。
```
boot=/dev/hda5
map=/boot/map
install=/boot/boot.b
prompt
timeout=50
message=/boot/message
append="apm=on"
default=linux
image=/boot/vmlinuz-2.2.18-0vl4.2
    label=linux
    read-only
    root=/dev/hda5
image=/boot/vmlinuz-2.2.18-0vl4.2
    label=linux2
    read-only
    append="hdc=ide-scsi"
    root=/dev/hda5
other=/dev/hda1
    label=windows
```
それから、CD ドライブを SCSI モードで立ち上げた時には、今までの方法でマウントできませんので、コマンドラインから
```
# mount -t iso9660 /dev/scd0 /mnt/cdrom
```
としてマウントしなければなりません。
CD を焼いて、ポータブル・プレヤーにかけて見て気付いたのですが、このプレーヤーは、液晶パネルに、アーティスト名やアルバム名を表示することができます。しかし、そのためには ID3 タグを MP3 ファイルに含めておかなくてはいけません。ID3 タグは「午後のコーダ」で作れるのだろうと思いますが、オプションのつけ方がわかりませんでした。ripperX では Configuration → File の中に Create ID3 tag というチェックポイントがありますので、これで作れるのではないかと思います。

【Mozilla を Netscape に】10-7-2002

Mozilla で、あるサイトに入ろうとしたら、「あなたのブラウザは Netscape 6.0 です。6.1 以上か IE にしてください」というメッセージが出てきました。おそらく、暗号化処理を使うため、ブラウザのチェックをしているのですが、チェックの仕方が甘いため、Mozilla を認識していないのだと思います。Mozilla で URLに about: とうちこむと、Mozilla のバージョンが示されますが、そこには Mozilla 1.1 の下に Netscape 6.2 とありました。Mozilla 1.1 は Netscape 6.2 以上の機能を備えているはずです。それで、Mozilla を Netscape 6.2 と「偽る」ことにしました。.mozilla のユーザディレクトリーに入って、prefs.js に次のラインを書き込みました。
```
user_pref("general.useragent.override", "Netscape 6.2");
```
本当は、そのサイトのブラウザチェックがきちんと Mozilla に対応してくれなければならないのですが、この方法で、たいていのブラウザチェックをクリアできます。

【Vine 2.5 インストールに再挑戦】10-14-2002

私のべつのマシンには Vine 2.5 が入ったのですが、もっぱら使っているマシンには、Vine 2.5 のインストールができないでいます。前回、ためしたときは、CD からインストールできなかったのですが、CD-R ドライブを替えてから、ためしてみましたら、CD が動いてくれたのですが、グラフィックモードでのインストールがだめで、テキストモードに切替えても、テキストモードとして動いてくれないなどのトラブルがあり、依然としてうまくいっていません。
じつは、外の人のコンピュータで、Vine 2.5 のインストールのお手伝いをしたのですが、最初の段階でつまづいて、ギブアップ、やむなく Kondara を入れました。Kondara の開発グループは解散してしまって、十分なサポートがないので、実用になるかどうかわかりません。いずれ、私が手馴れた Vine に入れ換えてもらったほうが、ヘルプするのに何かと好都合と思っています。ディストリビューションにより、ハードウェアとの対応度の違いがあるようです。
聞けば、バグフィックス版の Vine 2.6 が出たとか。CD の附録が出るのを待って、もういちどためしてみましょう。

【ZIP 750】10-21-2002

IO-Mega の ZIP ドライブに 750M バージョンが出ました。250M 版のいっきに三倍になりました。これなら、CD一枚分を収められ、CDより簡単にバックアップを取ることができます。USB タイプと FireWire タイプがあり、FireWire のほうが早いし、電源もいっしょに取れるのでいいかなと思いましたが、私のマシンには FireWire がついていませんし、FireWire を使うにはカーネルを再構築しなければならないので、それも大変、結局 USB タイプを買いました。ディスクは別売になっていますので、ドライブとディスクの両方で結構な出費になってしまいました。
最近、Windows のグラフィックスツールを使っていて、メモリー違反が起こり、なんと、My Documents のファイルが全部駄目になるというダメージを受けました。プログラムファイルは壊れても、またインストールしなおせばいいのですが、My Documents は貴重な資産です。幸わいバックアップをとってあったので、復旧できましたが、これを機にバックアップを真剣に考えて、750M の ZIP を買うことにしたのです。
カーネル 2.4.x では USB は問題なく使うことができるのですが、カーネル 2.2.x では /sbin/dump_usbdev で USB 機器の情報を得、それを /etc/usbmgr/usbmgr.conf に記述する必要があります。それで、750M ZIP をつないで、/sbin/dump_usbdev としたのですが、
```
class 0x9 subclass 0x0 protocol 0x0
```
と、クラス番号を示すだけで、メーカーと製品の識別番号をしめしてくれませんでした。マシンをアップブレードする前はちゃんとしめしてくれたのに、ハードウェアの構成が違うので駄目になったのでしょう。それではと、コンソール画面で ZIP をつないだら、SCSI 機器として直接感知してくれ、IO-Mega のメーカ番号 0x59b と 750M ZIP の製品番号 0x35 を得ることができました。それで、これを次のように usbmgr.conf に記述しました。
```
# Class Setup
class 0x9 subclass 0x0 protocol 0x0
# Iomega UBS Zip 750
vendor 0x059b product 0x0035 module scsi_mod , sd , usb-storage
```
ルート権限で /sbin/update_usbdb /etc/usbmgr/usbmgr.conf として、データベースをアップデートしました。750M ZIP は以前つくった /mnt/zip にマウントさせますので、/etc/fstab に
```
/dev/sda4  /mnt/zip  vfat  noauto,user  0 0
```
とし、ユーザマウントツールでマウントできるようにしました。こうすれば、いちいちルートにならなくてもいいので便利です。
それから、この時、気づいたのですが、/etc/fstab に
```
/dev/sda4  /mnt/zip  vfat  noauto,user  0 0
```
と記述しただけでは、ZIP をマウントした時、すべてのファイルのパーミッションから実行属性が取り除かれてしまって、ZIP からプログラムを動かすことができませんでした。ZIP のファイルの実行属性をもどすには、
```
/dev/sda4  /mnt/zip  vfat  noauto,user,exec  0 0
```
というように、exec というオプションをつける必要がありました。
250M ディスクも 750M ディスクもたいして値段がちがいませんので、あたらしく ZIP を買う人には 750M ZIP がお薦めです。

【Linux とハードディスク】10-28-2002

ハードディスクをアップデートしようとしましたが、買ってきたハードディスクがどうも調子が悪いのです。あれこれやってみましたが、BIOS がハードディクスを認識しないのです。まったく認識しないのなら、こちらの設定が悪いのでしょうが、あれこれやっているうちに、認識するのです。ずっと使っていると問題ないのですが、しばらくしてパワーをオンにしたら、もう駄目です。7200回転のハードディクなのですが、パワーオンで、回転が上がらないのでしょうか、パワーオンにして認識しなくてもそのままほうっておくと、5分から10分で、ハードディスクが使えるようになりました。結局メカニカルな問題であることがわかりました。
コピーの機械ではあるまいし、ウォームアップに５分もかかるなんてとんでもない話で、返品、返金してもらいました。買ったのは 30GB でしたが、もう少ししたら、120GB のものも安くなるでしょうから、その時に買うことにしました。Windows では 64GB のハードディスクしか使えませんし、Windows XP も 120GB までの制限があります。しかし、Linux はそれ以上のハードディスクを使うことができます。ただし、BIOS がサポートしていればのことですが。120GB を買う前に、私も、システムボードの仕様書をチェックしておいたほうが良いようですね。

【ZIP ディスクの容量チェック】11-4-2002

USB ZIP 750 を日常的に使うようになりましたが、いくつか注意すべきことに気がつきました。その第一は、750M のディスクを使ったあと、250M のディスクを使う時は、アンマウントしてすぐマウントしないで、いったん USB 接続を切って、ディスクを入れ直してからあらためて、接続、マウントするということです。250M のディスクを使ったあと、750M のディスクを使う時も同様で、ディスク容量が違う場合、USB 接続を更新して、ディスク容量の情報を与えてあげなければならないのです。
第二は、ディスクの残り容量が十分に無いのに、書き込みを試みようとしても、エラーが出ないで、容量 0 のファイルが作られるだけの場合があります。ZIP ディスクでバックアップを取る時、コピーしたはずのファイルが空っぽであれば、致命的なダメージを受けます。ディスクの残り容量は df コマンドで調べられますし、コピーしようとしているディレクトリーのファイル総計は du コマンドで調べられますから、ディスクの残り容量が気になりだしたら、まめにチェックしたほうが良いでしょう。

【sylpheed 0.8.5】11-11-2002

私の常用メーラ、sylpheed が 10月3日に O.8.5 にアップロードされていました。いつもは、ソースをダウンロードしてコンパイルしていましたが、今回は、rpm ファイルをダウンロードしてみました。http://y-imai.good-day.net/sylpheed の RPM/SRPM ページの sylpheed-0.8.5-1.i386.rpm をクリックしてみたら、ブラウザが黒い画面に変わってしましました。これは、rpm をリアルプレイヤーのファイルであると錯覚しているからです。リアルプレーヤーもまぎらわしいファイル名をつけたものです。こういう場合は、シフトを押しながらクリックすれば、ファイルをセーブできますので、この方法でダウンロードしました。rpm からのインストールを試みましたが、「libgpgne.so.6 がありません」とのエラーが出ました。これは、暗号化プログラムなのですが、私はこれをインストールしてませんので、ファイルの依存関係でひっかかったのです。
それで、いつものようにソースをダウンロードして、コンパイルしました。./configure, make, su -c "make istall" のお決まりの手順で難無くインストールできます。今回のバージョンアップは、バグの修正が主で、前回とは見た目の変化はありませんでした。

【mplay の改良】11-18-2002

べつに「Linux でマルチメディア」を追及しているわけではありませんが、最近、mtv という mpeg ムービを再生してくれるプログラムを見つけました。http://www.mpegtv.com にあります。http://www.pocketmovies.net には mpeg 形式のムービクリップがたくさんあります。どれも容量が大きいので、ダイアルアップでのダウンロードはきついです。
mtv はグラフィカル・ラッパーで、プログラムの本体は mtvp です。コマンドラインで mtvp ＜ファイル名＞とするとウィンドウが開いて動画を再生します。私は、以前、mpg123 と timidity を使ったテキストベースのミュージックプレーヤ mplay.pl をつくりましたが、今回、これを手直しして、mpeg ムービーも再生できる mplay2.pl をつくりました。mplay.pl の m は music のつもりだったのですが、mplay2.pl の m は multi-media の m です。グローバル配列の初期化をきちんとやってなかったので、ランダム演奏の時にトラブルがありましたが、その部分を直して perl のソースを「わたしの真珠箱」にアップロードしておきました。使い方などは、ソースを見て察してください。リピート演奏ができるようにしたいと思っていますが、それはまた時間のある時に。

【wvWare のアップデート】11-25-2002

ほとんどの人が MS Word で文章をつくり、それを Eメールの添付にして送りつけて来ます。これは、「ネチケット」(ネットワーク上のエチケット)に違反していると思うのですが、マイクロソフトが基準で動いているような世の中なので、しょうがないかなとも思っています。StarSuite 6.0 で、MS Word 文書も読めるのですが、StarSuite は、私の非力なマシンでは立ち上がりがおそいので、いらいらすることもあります。MS Word 文書を HTML に変換してくれる wvWare の軽快さが忘れられず、一旦削除したこのプログラムをもういちどインストールしました。そのさい、もちろん最新バージョンを手に入れようと、http://www.wvware.com をチェックしました。
そうしたら、Ver. 0.7.4 まで、バージョンアップされていました。2002年11月5日づけの wv-0.7.4.tar.gz はわずか 1.1 M のパッケージで、ダウンロードもコンパイルもすぐにできました。Word ファイル内に組み込まれているウィンドウ・メタ・ファイル(wmf)と呼ばれる画像を ImageMagick を使って png に変換するため libwmf-0.2.7 もダウンロードしたのですが、依存ファイルがみあたらず、libwmf のインストールはまだ成功していません。これがうまくいくと、HTML に画像も表示されるようになるのですが。
私が使っているのは、wvWare のツール群の wvHtml だけで、以前これを利用して Word ファイルを Netscape で表示させる wreader.pl というプログラムを作りました。今回、新しい wvHtml で wread.pl を試したのですが、仕様が変わっていて、変換した HTML ファイルを格納するところが、もとのファイルがあたのと同じディレクトリーにならないよう --targetdir= オプションで指定することになっていました。また、--charset= オプションで、変換した HTML ファイルの文字コードを指定できることもわかりました。wread.pl では、日本語の場合 UTF に変換されるので、テキストファイルに保存する時、UTF からの変換ツールが無かったため、Netscape の HTML 編集画面でファイルを表示させ、エンコードされたテキストに出力するさい、EUC-JP に変えていましたが、--charset=EUC-JP と指定しておけば、HTML ファイルをテキストファイルに変換すれば、愛用のエディタ xz でも閲覧、即、編集できます。Mozilla で表示しても、閲覧画面から、「ファイル保存」の際、「テキスト形式」を選べば、テキストで保存できます。
wread.pl の改定版は wv.pl とし、「わたしの真珠箱」にソースをアップロードしておきました。mplay2.pl のソースを流用して作ってあります。以前は、ファイルの数が多くて画面に入り切らなかった時の対処をしていなかったのですが、今度は、リスト・アイテムが多かった場合、複数ページに分けて処理するようにしました。このファイルのリストのルーチンは、これからも、他のプログラムで活用できそうです。wv.pl は起動時のオプションで、表示を Mozilla、w3m、xz のいずれでするかを選べるようにしました。デフォルトは xz にしてあります。HTML をテキストファイルに変換するのには、html2text というプログラムを使ってあります。とても良く出来ています。お馴染の TUCOWS のサイトからもらってきました。http://linux.tucows.com に入り、Internet → Web Building Tools → Html Editor とたどると、html2text_1.3.1 があります。作者のページは http://userpage.fu-berlin.de/~mbayer/tools/html2text.html です。いくつかのファイルで試しましたが、変換の精確さは、Mozilla, xz (実体は html2text), w3m の順となります。Word で Windows に独自な文字を使っている場合、Mozilla でも文字化けが起こります。そのような場合は StarSuite6.0 の力を借りる他なさそうです。

【libwmf のインストール】12-2-2002

IBM が今、世界最速のコンピュータを作っています。13 万個の CPU を使った、最大計算能力 367 テラフロップス(一秒間に 367 兆回)のスーパーコンピュータで、名前は「ブルージーン/L」と言うのだそうです。このコンピュータの OS は? もちろん、Linux です！
さて、前回の wv が Word ファイル内に組み込まれているウィンドウ・メタ・ファイル(wmf)形式の画像を png に変換できるようにするため libwmf を組み込もうとしてうまく行かなかったということを書きました。libwmf は libfreetype を必要とするのですが、Vine 2.15 ではこれが組み込まれていないのです。それで、Vine 2.5 の RPM ファイルからむりやり libfreetype を入れ、Vine Plus の libwmf をいれたのですが、依然として wv の configure 時に「wmf ファイルの変換機能は組み込まれません」とのメッセージが出ました。おそらく Vine Plus に収録された libwmf のバージョンが古いか、プログラムパスかに問題があるのだと思います。
wv で libwmf を使うのは今すぐ必要というわけではありませんが、libwmf があれば、Image Magic で wmf ファイルを png なり gif なりに変換できるので、Vine 2.15 用の libwmf パッケージを 2.15 用の Vine Plus から探してきて、インストールしました。libwmf-0.1.16-1.i386.rpm です。StarSuite6.0 の gallery ディレクトリーには wmf ファイルが一杯あるのですが、そのまま使えないので、コンバートしたいと思っていたのですが、これでそれが可能になりました。Image Magic は多機能なコマンドラインのイメージツールで、libwmf が使えるようになってもうひとつ機能が増しました。

【クリスマスの新商品】12-9-2002

去年のアメリカのクリスマス商戦は、まったくふるいませんでしたが、今年は、好調なすべり出しだそうです。毎年、Walmart が売り上げ一位ですが、今年はどこでしょうね。私も、実際の買い物はしませんでしたが、コンピュータショップにぶらりと立ち寄ってみました。
IO Mega の 750M ZIP ドライブ、IDE タイプが $140 で出ていました。3.5 インチベイにとりつけて使います。Western Digital の 120G ハードディスクがリべート分を引いて $110。1G = $1 という計算になり、大容量、高速のハードディスクも安くなりましたね。Shuttle 社が通常のタワー型コンピュータの 1/3〜1/4 の大きさのミニ・コンピュータを出していました。AMD CPU 用が $270 です。これはベア・ボーンタイプで、CPU、メモリ、ハードディスクなどが必要で、それらを買いそろえればもう $300 は確実にかかりますから、他のベアボーンにくらべて随分割高になりますが、おしゃれでかわいい姿はなかなか魅力的です。Linux ディストリビューションは、Redhat が 8.0、SUSE が 8.1 をリリースしていました。
いろんなものが値上がりしている中でコンピュータはどんどん安くなっていきます。U.S.News によると 1997 年には $1000 で買えたコンピュータはチップが 166MHz、メモリが 16MB、ハードディスクが 2GB というスペックでしたが、2000 年には 800MHz、128MB、19GB、2002 年は 2GHz、512MB、120GB なんだそうです。
欲しいものがいくつかありましたが、来年は Linux でのネットワークを試してみるつもりですので、そちらのほうにお金をとっておくことにし、何も買わないで帰ってきました。

【Windows ユーザに EUC ファイルを読んでもらう】12-16-2002

WZ のアップデート版、WZ4.0F がアップロードされていました。バージョンアップ情報を見ましたが、主に、 Windows XP とやらに対応するためのアップデートのようです。 UTF-8 に対応しています。また、正規表現の扱いが厳密になり、ユーザの要望がいろいろ取り入れられているようです。WZ の作者さんは、Windows 版 WZ のアップデートのために忙しかったようですが、ぜひぜひ XZ の製品版を一日も早くお願いします。ベータ版の試用時期がもうすぐ終りますし、この一年、試用期間の延長だけで、XZ はアップデートされていませんし、各種プログラムの実装もまだです。 Village Center のトップページには XZ もベータ版ながら、ちゃんとラインアップされているのですから、マクロ機能のついた(ついでに各種マクロも附録にして) XZ の登場を待っています。
Windows を使っている人に EUC-JP のテキストファイルをアタッチメントとして送りましたら、「読めない」とお叱りをうけました。WZ があれば何でもできるのですが、WZ を使っていただければ一番いいのですが、Windows ユーザが簡単に EUC を扱うことができるエディタがないか探しました。お薦めは、「メモ帳++」です。Shift_JIS, EUC, JIS, そして MAC 形式のファイルを文字コード自動判定で読むことができます。それに、エディタになくてならない「置換」や「文字種変換」などの機能もちゃんとプラスされています。Windows 付属の「メモ帳」と取り替えて使うと良いでしょう。
他に、iPentec e-Editor というのもおもしろいエディタです。Windows アプリケーションですが、ちゃんとペンギン君がついています。(かなりでぶっちょのペンギンですが。)このペンギン君をクリックするとなにか起こるのかと思い、やってみましたが、何も変わりはありませんでした。e-Edit は UTF-8 にも対応しています。ふたつともフリー・ソフトで http://www.vector.co.jp の「文書作成」→「エディタ」のところに入っています。WZ を使っていただければ一番いいのですが、本格的なエディタに入る前に、せめて、「メモ帳」以外のエディタを使い、文字コードの壁を乗り越えてくれればと思いました。

【Netscape 7.0】12-23-2002

Netscape が Mozilla 1.0 の成果を取り入れて、7.0 にアップデートされました。Netscape に CD を注文してインストールしてみました。私の注文した CD はインターナショナル版で、Linux 用には、英語、ドイツ語、日本語が入っていました。ヨーロッパと日本に Linux ユーザが多いことを Netscape はちゃんと知っているのですね。Vine 2.15 には Netscape 4.75 が入っていましたが、Vine 2.5 や、そのほかの新しいディストリビューションでは、もう Netscape 4.xx はパッケージから外しています。それで、私も、旧バージョンを思い切って捨てることにしました。まず /usr/lib/netscape を空にしてから、Netscape 7.0 を /usr/lib/netscape にインストールしました。「すべてインストール」を選べば、JAVA や FLASH プラグインも自動でインストールしてくれ、即、使えるようになっていました。Real Player と Acrobat は自分で入れなければなりませんでした。
Netscape 7.0 には Mozilla にある「全画面表示」や「サイトナビゲーションバー」はありません。「全画面表示」はプレゼンテーション以外にはあまり使わないでしょうし、「サイトナビゲーションバー」は、いちども使ったことがなく、また、どう使っていいのかも分かりませんので、特に必要な機能ではないかもしれません。Mozilla で文字列の折り返しが正しく表示されないバグと、Java Script の Alart Box が機能しないバグがありましたが、Netscape 7.0 ではそのあたりもよくチューンアップされています。Netscape 1.2 にはバグがあって配布中止になったとか、いまのところ、Netscape 7.0 のほうが安定しているようです。私は Netscape のメールは、いまのところ使っていませんが、メールプログラムに、Mozilla にはないスペルチェッカーがあるのはいいですね。もっとも、このスペルチェッカーは、Mozilla にも転用できます。spellchecker.xpi を Mozilla の「ファイルを開く」で読みこめばいいのです。ただし、アクセス権限の関係で、Mozilla を root で立ち上げてからインストールする必要があります。
標準以外の Netscape 7.0 のテーマは、Netscape 社の Themes Land には、いまのところふたつしかありませんが、私のお気に入りの American がちゃんとありました。さっそく Netscape 7.0 用のテーマをインストールしました。http://themes.mozdev.org に行くと、Orbit や Sky Pilot など、Netscape 7.0 でも使うことのできるテーマがあります。Sky Pilot はいままでの Netscape の雰囲気を一変してくれます。Orbit では、ボタンの大きさを変えることができるはずですが、まだ成功していません。http://www.deskmod.com にも Mozilla 用に作られたテーマが置いてあり、Mozilla 1.1 用のいくつかは、Netscape 7.0 でも使うことができます。テーマをダウンロードするときは、ネットワークからインストールしないで、.xpi ファイルをローカルで保存しておき、それをブラウザの「ファイルを開く」を使って読み込み、インストールしたほうが良いように思います。というのは、プロファイル・ファイルを削除してしまったら、インストールしたテーマも消えてしまい、またダウンロードしなければならないからです。ローカルにテーマ・ファイルを保存しておけば、再インストールが簡単にできます。Mozilla と Netscape の両方で使えるテーマも、二度ダウンロードする必要がなくなります。
Mozilla と Netscape を共存させるには、プロファイルマネージャーを使います。私は、Mozilla 用には mozilla、Netscape 用には netscape というプロファイル名を使ってそれぞれを使いわけています。ですから、コマンドラインから起動するときには、netscape なら netscape -P netscape というようにプロファイルを指定して起動するようにしています。私はデスクトップアイコンにこれらのコマンドラインを登録してあり、プロファイルマネージャーを撰択することなく、Mozilla と Netscape を一発起動させています。netscape -width 640 -height 480 -P netscape file:///usr/doc/HTML/documentations.html とすると、ブラウザの大きさや読みこむファイルを指定することができます。私は、これをドックアイコンに登録しておいて、いつでもマニュアルを参照できるようにしました。

【ゲストブックのバグフィックス】12-30-2002

年の暮れに、バグを片付けておきましょう。Penguin Club のゲストブックなんですが、そのデータファイルを、XZ で開いたら、「MAC ファイル」として扱われてしまいました。おかしいなと思って、プログラムを見直したら、改行を に置き換える部分が
```
$mycomment =~ s/\n/ /g;
```
となっていました。改行は CRLF というコードで受け取るのですが、s/\n/ / では LF しか で置き換えられず、CR が残ってしまい、XZ は、これを CR 改行の「MAC ファイル」と間違えてしまったのです。それで、この部分を
```
$mycomment =~ s/\r\n/ /g;
```
と書き換えました。ついでに不要な改行をとりのぞくスクリプトも書き加えました。
「めざせ、HTML の鉄人」に、この CGI を紹介してあるので、それも書き換えようとしたら、& の表示がおかしくなっていました。それは、& と書くべきところを、 & と書いてしまったからでした。
ZIP にローカルホストの HTML ファイルをバックアップするために、Perl でプログラムをつくりました(back2zip.pl)。その時、ファイルのタイムスタンプを読み取る方法と、それをローカルタイムに直す方法を見つけましたので、それを利用して mavica.pl を書き変え、mavica.pl のバグも修正しておきました。バックアップ・プログラムも修正を重ねているうちにバグを見つけました。ファイル名にスペースや & などを含んで入る場合、perl で if (-e $file) とチェックをかけても、うまくいきません。それで if (-e "$file") とするつもりが if (-e '$file') としてしまっていて、プログラムはファイル名が $file のファイルを探そうとしてしたら、ファイル名が"cp -p $original_file $backup_file"; としても、がありました。失敗していたのです。ちょっとしたとろこにバグがひそんでいるものです。スペースを含むファイル名を扱えるようにできたのですが、次に「'」を含むファイル名がひっかかりました。これをクリアするためには、いったんファイル名を変え、再びもとにもどすしかないようなので、このエラーは無視するようにしました。ウィンドウズではどんなファイル名でもいいのかもしれませんが、Linux では「'」を含むファイル名は許されていないので、私のプログラムのバグというわけではないようです。このバックアッププログラムは、まだまだ改良の余地はたくさんありますが、なかなか便利で、常用していますす。「わたしの真珠箱」を見てください。
今年最後の Penguin News に、人からもらった「引用」をひとつ。
The box said, "Requires Windows 95 or better," so I installed Linux!


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Linux Memo 2002年7～12月分